サラリーマンプログラマから

転職活動を機に始める浅はかなブログ

CSD研修の感想とか

CSD研修を受講したので感想などを書いていこうと思います。

www.scrumalliance.org

CSD研修へのモチベーション

今回受講したCSD研修は世の中の事情によっておよそ1年越しの受講となりました。当初はオフラインでの研修が予定されていましたが、講師が海外の方ということもあり、最終的にオンラインでの開催となりました。運営側もオンライン開催は初めてだったようです。

1年越しで待ちに待っていたことや、この1年スクラム開発を実践してきての悩みなどもあったので何か新しいことが得られるとワクワクした気持ちで参加させていただきました。

事前セッション

今回はオンライン開催であるため、開発環境を各々で用意する必要がありました。そのための説明や確認などを行う事前セッションが催されました。開発言語がJavaだったので、JDKを入れたり、nodeを入れたりDBを入れたりなど、それなりの準備が必要でした。普段使わないものも多いので、うまく消せるように注意していました。dockerも検討されていたようですが採用はされなかったようです。

CSD研修の内容

参加者が1つの開発チームとなって、研修期間の5日間を1スプリントとして与えられたバックログアイテムを開発していきます。1日目は講義の時間が多くとられ、TDDやモブプログラミングなどの説明や、バックログアイテムのリファインメントなどが行われました。以降は開発の合間に講師からのインプットが少し入りますが、開発に費やす時間の方が多かったです。最終日にはスプリントレビューとレトロスペクティブが行われました。

技術面ではXPをベースにしたテクニックや考え方が主で、技術面に加えてチームビルディング的な話があったような印象です。スクラム開発の説明はそこまで多くなかったので事前準備が必要だったと思います。

実際にやったこと

研修のコミュニケーションは講義、開発ともにZoom上で行われました。一応Discordも用意されていましたが、たまに情報共有される程度で積極的に使用しているわけではありませんでした。開発は2つのグループに分かれてのモブプログラミングで行われました。ZoomのBreakoutRoomを使用して2つのグループに分かれていたので、グループ間のコミュニケーションが難しかったです。そのほか、デイリースクラムや、ワーキングアグリーメントの見直しなども行いましたが、実施タイミングや内容は開発チームに一任されていました。

開発自体は特定のフレームワークを使用したWebアプリケーションでしたが、規模が小さいことや技術的なサポートも適宜受けられる環境にあったため、別段困ることはありませんでした。

得たもの

スクラム開発における開発チームの動き方の補完がなされました。実践していくなかで抜け落ちたものであったり誤解していたものなどが補完されました。その他にもシステム思考は興味深く、深掘りしてみようと思いました。

Javaなどの技術的な部分やツールの使い方などは、参考にはなりましたが実際に使えるかというと、少なくとも私の環境では難しいものが多かった印象です。

残念だったこと

チームビルドの時間が少なかったことが一番残念でした。研修という場に目的もさまざまで寄せ集められた初対面のメンバーを開発チームとして扱い機能させるにはある程度のチームビルディングが必要であり、なおかつオンライン開催のため、昼休みや開始前などで参加者が自主的にアイスブレイクしていくような機会が失われている状況ではオフラインのとき以上に意識してチームの状態を見ないといけないと感じました。今回はワーキングアグリーメントの更新を考えるときにチームについての話ができるだけだったので、せめて最初に「我々はなぜここにいるのか?」程度は話し合える時間を明示的にとって欲しかったです。実際、バックログアイテムを完了することと研修の目的を果たすことの優先度に開発チーム全員が少なからず迷っていたように感じました。

気づき

今回の研修ではCSDの内容以外に重要な気づきがありました。それは「学習には強烈な成功体験と容易な再現性が重要である」ということです。

何かを学習したとき、現状維持バイアスを突破するような成功体験があると人は容易に実践しようと考えるのではないかと感じました。人によって現状維持バイアスの強さが違うことはありますが、現状を変えようと思えるほどの成功体験がないとただの知識として受け止めてしまい、いつの間にか忘れてしまうことが多いのではないでしょうか。また、成功体験は必ずしも実際に体験する必要はなく、何かのケースを想像して成功するだろうと感じたりするだけでも満たされることがあるでしょう。何かの本を読むことで過去の行動が肯定され、成功体験に変化することもあるでしょう。いろいろな形で成功体験を得ることがあると思いますが、成功体験がないと何かを変えようと行動するに至らないことが多いのではないでしょうか。

同時に自身の環境で容易に再現できることも重要であると感じました。どのように強烈な成功体験を得ようとも、特殊な環境でのものであればただの思い出になってしまいます。ヘタをするとただの理想論であったり、正論ではあるけども・・・と捉えてしまうこともあるかもしれません。

また、「学習には強烈な成功体験と容易な再現性が重要である」ので、いかにして成功体験と再現性を高めるかが重要でしょう。おそらく、学習効率がいい人であったり学びが多いと感じる人はものごとをいろいろな解像度で捉えたり分割したりして、成功体験だと感じる部分を最大化したり、再現性を高めたりしているのではないかと思います。

この気づきを得たことによって、人に何かを教えるときの迷いも少し晴れたような気がします。これまでは、手順を教えるのがいいのか、バックグラウンド含めて丁寧に教えた方がいいのか、やって見せた方がいいのか、気づかせるように誘導するのがいいのかなどいろいろと考えていましたし、これからも考えていかなければならないと思いますが、成功体験と再現性を提供するというのが一つの答えであり、迷いながら求めていたものの言語化なのではないかとうっすらと思ってきました。これから検証していこうと思います。

反省点

「我々はなぜここにいるのか?」を明確にするように動けば良かったと思います。研修の受講生であり、開発チームでありスクラムマスターがいるなど待ちの姿勢を取りたくなる状況だったとは思っていますが、学習を最大にするためにどうすればいいかを考えれば迷いがある状態で受講していくのはよくないことだとわかるはずです。その状況を長くとってしまったのは反省する必要があると思っています。

全体を通して良い気づきも得られたので概ね満足した研修でした。次はCSPOかな。